2026-01-01から1年間の記事一覧
【湯島(の天神)】 「かむろ蛇」に登場する大吉は煙草屋で、色白の華奢な男として描かれている。彼はかつて湯島の茶屋にいたことがあるという。 また「河豚太鼓」では、菊園一家が本郷湯島の天神の社殿改築落成にともなう、正月二十五日の御縁日から十六日…
【浅草三好町】 「雷獣」は、浅草三好町で雷が尾張屋という米屋に落ちたことを発端として事件が起こる。 浅草三好町の近くには、幕府の御米蔵がずらりと並んでいた。 そうした土地柄を思えば、この町に米屋があるのもいかにももっともである。 物語の発端と…
【松本城城下】 「人形使い」では、文作と冠蔵の二人が一座を組み、公演旅行で中山道の諏訪から松本の城下へ向かっている。 江戸の町を離れた松本城下が、旅芸人たちの巡業先として描かれているのである。 松本城の歴史をみると、江戸時代を通じて石川家、小…
【新宿の玉川上水】 「正雪の絵馬」では、丸多の主人・多左衛門が新宿の玉川上水あたりで死んでいたとされている。 玉川上水は江戸の町を支えた重要な水路であり、半七捕物帳の中では、その水辺が事件の背景として使われている。 現在、その流れの一部は新宿…
【川崎の厄除大師】 「三つの声」では、庄五郎、藤次郎、平七の3人が川崎の厄除大師へ参詣する途中で事件が起きる。 「大森の鶏」は、半七と庄太が正月二十一日の初大師に参詣した帰りの話。明治になってから半七老人が語るところによると、岡っ引きは信心…
【天竜寺の鐘】 天龍寺は、「蛇」「一つ目小僧」「正雪の絵馬」に登場する寺である。とはいえ、作中で描かれるのは寺の姿そのものではなく、刻を知らせる鐘の音である。鐘の音がふと聞こえてくることで、江戸の町の時間や空気が読者に伝わってくる。 現在、…
【不忍の弁天堂】 「弁天娘」のお此は、両親が不忍の弁天堂に三七日日参して授かった娘だと言われている。 不忍の弁天堂が、江戸の人々にとって願掛けの場だったことを感じさせる一節である。 不忍池の弁天堂は、寛永年間に僧の天海と水谷伊勢守勝隆が弁財天…
【御厩河岸の渡し・厩河岸・厩橋】 『お化け師匠』では、半七は御厩河岸の渡しから本所へ向かう船の中で、犯人の姿を見つけている。 また『海坊主』では、半七は厩橋の渡しを越えて小梅へ行ったと語られている。 ただし、厩橋が架けられたのは明治に入ってか…
【疝気稲荷】 『広重』では、半七が庄太を誘って砂村のお稲荷様に参詣し、事件解決の手がかりを得ている。 この稲荷は、単なる背景ではなく、半七たちがわざわざ足を運ぶ場所として描かれている。 疝気稲荷は通称で、正式には大知稲荷というらしい。 疝気と…
【生麦】 『向島の寮』に出てくる、わりと勇敢?な奉公人のお徳は生麦の出身。 『蟹のお角』では、お角は島田を酔いつぶして駕籠に乗せ、生麦の立場まで送らせた、とある。この話の発端は江戸の大川であるものの、物語の舞台は横浜である。 幕末の生麦といえ…
【豊海橋】 「大阪屋花鳥」では、若い頃の半七が兄貴分の徳次とともに聞き込みをする場面で、豊海橋が登場する。 江戸の町はずれで情報を集めるために歩き回る二人の姿が、この川べりの風景と重なってくる。 現在の豊海橋は、豊海橋の下流部、日本橋川が隅田…
【花川戸】 「幽霊の観世物」では、隠居のお半が災難にあったその日、 駿河屋の若主人・信次郎は商用で花川戸へ出向いていた。 また「川越次郎兵衛」では、亀吉が川越へ向かうため、花川戸から船に乗り込んでいる。 浅草の花川戸は、古くから町屋として発展…
【砂村/砂村新田】 砂村は、江戸時代に海岸の砂州を埋め立てて開かれた新田が集まってできた地域である。 砂村新左衛門とその弟が中心になって開発を進め、多くの新田が生まれたと伝えられている。 半七捕物帳の「広重」では、半七と庄太が事件解決の手がか…
【戸沢長屋】 戸沢長屋は、「川越次郎兵衛」に登場する女衒・お葉が住んでいた長屋である。 物語では、浅草の花川戸から馬道の通りへ出る横町に位置していると描写されている。 もともとは戸沢家の屋敷地だったが、享保の頃に町屋となり、長屋が建てられたと…
「河豚太鼓」では、お京が聖天下の長屋を出て今戸橋を渡り、称福寺近くの自宅へ帰っていく場面が描かれている。 また「吉良の脇指」では、遠州屋の才兵衛が、浅草の今戸にある、日本橋にある古河という鉄物屋の寮(別荘のような建物)へ赴いた帰り、聖天下で…
半七の子分・庄太が住んでいる場所(「春の雪解」「唐人飴」「河獺」「広重」など)以外にも、「筆屋の娘」「津の国屋」「一つ目小僧」「大阪屋花鳥」「川越次郎兵衛」「石燈籠」「河豚太鼓」「あま酒売」「金の蝋燭」など多くの話で触れられる地名。 浅草は…